交流分析(Transactional Analysis “TA”)は米国の精神科医でフロイトの弟子でもあるエリック・バーン博士(1910-1970)が考案したひとつのパーソナリティ理論であり、個人が成長し・変化するためのシステマティックな心理療法のひとつです。
基本的には
①構造分析:個人の中で起きていることを理解する方法
②やりとり(交流)分析:2人の間に起きていることを理解する方法
③ゲーム分析:不快感をもたらす特定な交流の型を理解する方法
④脚本分析:個人が推し進めている人生プランを理解する方法の4本柱から成ります。
私たちの中には、生まれたときから今までの経験や情報の蓄積から成るパーソナリティがあり、交流分析ではこれを5つの自我として分類しています。
●支配的な親(父親)・・・CP(Critical Parent)
間違ったことに対して、批判したり・叱ったり・罰を与えたりして厳しく教育しようとする働き。この圧力は他人に対してだけでなく自分自身に対してもかけられます。「~しなくてはならない」「~すべき」などという言葉で自他共に厳しくあたります。
●養育的な親(母親)・・・NP(Nurturing Parent)
周囲に対する思いやりをもち、人の苦しみを自分のことのように感じ取ろうとする働き。ボランティア精神が高かったりかいがいしく他人の世話をするときなどに発揮されます。
●客観的な大人・・・A(Adult)
物事を客観的でクールに見極められる状態。現実的創造的に生き個性に即した自己実現を行う「大人の心」。しかし、Aが人格の中で主導権を握り、主体的・創造的に生きようとすればするほど、自己中心的と自然無視の傾向が強まりその結果、今日のゴミ問題に見られるような諸悪の根源にもなりかねません。他人との交流という点で見れば、Aは自他の区別を重んじギブ・アンド・テイクを中心とした利用しあう関係を結ぶパーソナリティーと言えます。
●自由奔放な子供・・・FC(Free Child)
生まれたままの自我の状態、本能的で好奇心にあふれ創造的で感情表現が豊かです。「~が欲しい」「~がしたい」など他者と関係なく自分の欲求だけに従うパーソナリティー。
●順応的な子供・・・AC(Adapted Child)
幼い頃の体験や、それらに対応するために身につけた、幼児なりの「処世術」が含まれます。特に、両親の愛情を失わないためまたその期待に添おうとするために、FCを多少なりとも抑えているのが特徴です。このACが強く働きすぎると、いわゆる「いい子」になりすぎ主体性を押し殺して、ニセの大人のように振舞うようになったりします。心身症などにかかる人の中に、このACを持つ人が少なくないと言われます。
「心のるねさんす」では多くの心療内科や精神科で採用されている『新版TEG 東京大学医学部心療内科TEG研究会編』という心理テストを使っています。
これは、正常か異常かという観点のテストではなく被験者がどのような心理的パターンをもっているかという「個性」を知るためのものです。
客観的に自己の隠されたパーソナリティーを知ることで現在の状態に対して理解ができるようになります。
セルフコントロールはまず自己を知ることから始まりカウンセリングによって使い古されたパターンを手放して自分らしくより良い生き様を見つけていきます。
上記で説明した5つの自我状態に分け、それぞれのパーソナリティーの強さを目に見えるグラフで現し理解と気づきを促しますから、人間関係で悩んでいる方には特におすすめです。